「新幹線にペットを乗せたいけれど、サイズオーバーだったらどうしよう?」そんな不安を抱える飼い主さんも多いのではないでしょうか。
新幹線ではペットの持ち込みが認められていますが、厳密なサイズ制限やルールが設けられています。
この記事では、基本的な運搬規定から、サイズオーバー時の対処法や代替案、トラブル回避のポイントまで、ペットと安心して移動するために知っておきたい情報を徹底解説します。
新幹線にペットを乗せるときの基本ルール
ペットの持ち込みは可能?対象動物と条件
新幹線では、小型のペットであれば条件付きで持ち込みが認められています。
具体的には、JR各社の規定により、ペットは専用のケース(キャリーバッグやクレート)に完全に収納されている必要があり、ケースの中で静かに過ごせる動物に限られます。
さらに、そのケースとペットを合わせた総重量が10kg以内であることが求められます。
対象となるペットは、犬・猫・小鳥・ハムスターなどの小動物に限られており、ケースから顔や体を出すことは厳禁です。
また、ペットの鳴き声やにおいが周囲の迷惑とならないよう配慮し、乗車前からマナーを守った行動が求められます。
ペットキャリーのサイズ・重さ制限とは
新幹線にペットを乗せる際のキャリーサイズにも明確な基準があります。
素材はハードケース・ソフトケースいずれでも構いませんが、周囲に影響を及ぼさない密閉性や通気性、そして持ち運びのしやすさも重要な選定基準です。
なお、キャリーの一部が規定サイズをわずかでも超えている場合、駅で持ち込みを断られるケースもあるため、事前の計測と確認を怠らないようにしましょう。
料金は無料?有料?ペット運搬の費用
ペットを新幹線に乗せる場合は、通常の乗車券とは別に”手回り品切符”が必要です。
この手回り品切符は一律290円(2025年現在)で、駅窓口または一部の券売機で購入できます。
モバイル予約に対応していない場合もあるため、事前の確認をおすすめします。
なお、1匹ごとに1枚の手回り品切符が必要であり、2匹以上連れて乗車する場合はそれぞれの料金が発生します。
また、キャリーのサイズやペットの状態によっては、駅員の判断で持ち込みを断られることもあるため、乗車前に相談しておくと安心です。
サイズオーバーのペット新幹線に乗れる?注意点と対処法
サイズオーバー=10kg以上の犬は乗れる?大型犬の対応策
10kgを超える大型犬は、基本的にJR各社が定めるキャリーサイズ規定に収まらないため、新幹線への同乗は非常に難しいのが現実です。
特に大型犬は専用のクレートも大きくなり、縦・横・高さの合計が120cm以内という条件を満たすことが困難です。
このような場合には、ペットを安全に移動させるための代替手段を検討する必要があります。
たとえば、動物専門の輸送業者を利用すれば、自宅から目的地まで安心して預けることができ、輸送中の温度管理やストレス軽減にも配慮されています。
また、ペットと一緒に移動できるマイカーでの移動も検討が必要です。
場合によっては、航空機の貨物室に専用クレートを預けて移動することも可能ですが、気温や気圧変化に注意が必要なため、事前に航空会社の規定をよく確認し、動物病院での健康チェックも受けておくと安心です。
サイズオーバーで起こるトラブル事例
特に、キャリーの一部が規定サイズをわずかに超えているだけでもNGと判断される場合があり、旅行計画が大きく狂ってしまうこともあります。
中には、ペットと一緒に移動できると思っていた飼い主がその場で立ち往生し、急遽ペットホテルを探す羽目になったという事例もあります。
また、同乗中にペットが鳴き続けたり、においによって周囲の乗客から苦情が入ると、車掌から注意を受けたり、次の駅で下車を求められることもあり得ます。
これらのトラブルを防ぐためには、事前のサイズ確認とペットのしつけ・慣れが非常に重要です。
サイズオーバー時の代替案と準備の工夫
もしも愛犬のサイズが規定を超えてしまうと判断された場合には、無理に新幹線に乗せようとせず、他の手段を柔軟に検討することが大切です。
たとえば、信頼できるペットホテルに預けることで、旅行中も安心して過ごせますし、最近ではLINEやアプリでペットの様子を写真や動画で確認できる施設も増えています。
また、引越しや長期滞在の場合は、ペット専用の宅配サービスを使ってクレートごと輸送する方法もあります。
加えて、サイズ制限内のキャリーを見つけるために、さまざまなメーカーの商品を比較し、可能な限りコンパクトでペットにとって快適なものを選びましょう。
そのうえで、出発前からキャリーに慣れさせるトレーニングを行い、移動中に落ち着いて過ごせるよう準備しておくことで、ストレスを軽減できます。
おすすめのペットキャリーと選び方
新幹線に適したキャリーバッグの条件
新幹線での移動には、静音性・通気性・耐久性に優れたソフトキャリーが最も適しています。
ソフトキャリーは車内での振動や衝撃をある程度吸収してくれるため、ペットの負担を軽減する効果も期待できます。
また、持ち運びやすくコンパクトに折りたためるモデルも多く、旅行中の取り回しにも便利です。
サイズ規定に収まるだけでなく、ペットが中で無理なく姿勢を変えられる余裕があることが望ましい条件です。
さらに、キャリーの内側が滑りにくく、底面がしっかりしていて安定性があるものを選ぶことで、車内での横揺れなどにも対応しやすくなります。
外から中が見えるメッシュ窓が付いていると、ペットの様子を確認できるうえ、通気性の確保にもつながります。
ファスナー部分がしっかり閉まるかどうか、ロックが付いているかといった機能面の確認も忘れずに行いましょう。
犬種・猫種別のキャリーサイズの目安
犬や猫のサイズは個体差があるため一概には言えませんが、おおよその目安としては、小型犬(チワワ・トイプードル・ポメラニアンなど)や一般的な猫の場合、45cm×30cm×25cm程度のキャリーで十分対応可能です。
猫の場合は身体を丸めて入る習性があるため、比較的コンパクトなキャリーでも問題ないことが多いですが、ストレス軽減のために中で自由に体勢を変えられる広さを確保してあげるとよいでしょう。
中型犬(シーズー・ミニチュアシュナウザー・フレンチブルドッグなど)であっても、体重が10kg以内で柔らかい素材のキャリーを使用すれば、ギリギリ規定内に収まる場合があります。
ただし、肩掛けタイプではなく、キャリーが床に置ける構造であることが推奨されます。
以下に犬種・猫種別のキャリーサイズの目安を表でまとめました。
ペットの種類 | 体重の目安 | 推奨キャリーサイズ(目安) | 備考 |
---|---|---|---|
小型犬(チワワ、ポメラニアンなど) | 〜5kg | 約45×30×25cm | 十分対応可 |
小型犬(トイプードル、ヨーキーなど) | 5〜7kg | 約50×35×30cm | 少し余裕を持たせると◎ |
中型犬(シーズー、フレンチブルなど) | 8〜10kg | 約55×40×30cm | ソフトキャリーで調整可能 |
猫(一般的な成猫) | 3〜6kg | 約45×30×25cm | 丸くなる習性があるため対応しやすい |
購入前には必ずペットの体長・体高・体重を正確に測り、それに合ったキャリーを選ぶことが、安全で快適な移動の第一歩です。
特に中型犬の場合は、キャリーの構造や素材の柔軟性によって規定サイズに収まるかどうかが左右されるため、実物の確認や試し入れを行うとより確実です。
ペットにやさしいことは当然ながらできれば、可愛いキャリーがよいですよね!
いろいろなアイテムをチェックして狙いをつけておきましょう!
快適な移動のための準備とマナー
移動中のトイレ・鳴き声・ストレス対策
ペットの移動前には必ずトイレを済ませておきましょう。
長時間の乗車となる新幹線では、排泄の失敗が周囲への迷惑やペットのストレスにつながる可能性があります。
クレートの中にはペットシーツや吸水性の高いタオルを敷いておくと、万が一の対策にもなります。
また、車内ではキャリー内の環境がペットの安心感に直結するため、なるべくリラックスできるようお気に入りのタオルやおもちゃを入れておくことが効果的です。
さらに、移動中の鳴き声対策としては、ペットが静かに過ごせるように出発前にしっかりと遊ばせてエネルギーを発散させておくことや、移動に慣れるための短時間の練習外出を取り入れることもおすすめです。
新幹線ホームや車内でのマナーと注意点
新幹線のホームや車内では、他の乗客に配慮した行動が求められます。
キャリーは常にしっかりと閉じ、膝の上や足元など人の動線を妨げない位置に置いてください。
通路側にキャリーがはみ出すと、他の乗客の迷惑になりやすいため注意が必要です。
特に鳴き声が気になる場合や静かな空間を確保したい場合には、あらかじめ端の席やデッキ付近の座席を指定して予約するのがおすすめです。
また、ペットの存在に気づいた乗客に驚かれないよう、事前に周囲へ一声かけるなどの気配りも、トラブル防止に役立ちます。
におい対策として、
- キャリーに消臭シートを入れる
- 事前にシャンプーをしておく
などの準備も忘れずに。さらに、車内での揺れや音に驚かないよう、ペットが安心できる毛布をかける、話しかけて落ち着かせるなどの工夫も大切です。
まとめ
新幹線にペットを同乗させる際は、「10kg以内・キャリーの三辺合計120cm以内」という明確な制限があります。
サイズオーバーのペットは原則乗車不可となるため、代替手段や事前準備が不可欠です。
下記の表を参考に、愛犬・愛猫に合った最適な移動方法を選び、安全で快適な旅を計画しましょう。
ペットの状態 | 対応方法の例 | 備考 |
---|---|---|
サイズ・重量が規定内 | 新幹線+手回り品切符(290円)で持ち込み可 | キャリー条件を必ず確認 |
サイズオーバー | 専門業者による輸送、マイカー移動など | 輸送サービスは温度・健康管理に配慮あり |
同伴が難しい | ペットホテルに預ける | アプリ等で様子確認できる施設も多数 |